円の強いときと弱いとき(日本)

大幅な金融緩和で円が下落

FX 円の強弱2013年4月、日本銀行総裁に就任して2週間目の黒田総裁は、「量的・質的金融緩和」を発表しました。

デフレ脱却を目標に掲げた金融緩和の内容は、2年間で前年比2%の物価上昇を目指すもので、市場に供給するお金の量(マネタリーベース)を倍増させるというものでした。

前年に発足した安倍政権の「大胆な金融緩和を」という要請に基づくもので、市場の予想を大幅に超える大胆な金融緩和でした。いわゆるアベノミクスという言葉に聞き覚えがあるかと思います。

このサプライズでドル-円は2円以上も円安に振れました。

それまで1ドル=90円台前半だった為替は、ここから円安傾向に振れたのです。

10年債利回りは史上最低水準を更新し、地上に出回るお金の量が増えることで、円の下落が始まったのです。

追加の金融緩和策で円安が進む

消費税の影響で景気回復が正念場を迎えた2014年11月、日本銀行は、さらなる金融緩和を発表し、市場に衝撃を与えました。

マネタリーベースを年10兆~20兆円増やす、長期国債の買い入れ量も増やすというものでした。

この結果、1ドル=114円台とおよそ7年ぶりの円安水準まで円安が進みました。